おつかれさまです。
今日は、戦後日本を代表する評論家・福田恆存の本を紹介します。
令和に蔓延る「◯◯力」のような…なんだか敬遠しがちなタイトルですが、胡散臭い自己啓発本ではございません!
私の幸福論

令和の起業家とかタレントの幸福論だったら絶対買わないけど、これは戦後日本を代表する評論家による若い女性に向けた幸福論。
“戦後日本を代表する評論家”なんて聞くと堅苦しいけど、昭和30〜31年に女性雑誌で連載されていたエッセイなので、読書家ではないわたしでもすらすらと読めるくらい易しい文章で書かれています。
ただ、文章は易しいけど理解するのは難しい。
その難しさは数年後には理解できるかもしれないもので、また読み返したくなる日が待ち遠しくなるような…
手元に置いておきたい一冊でもあります。

幸せの価値観はひとそれぞれなので『私の幸福論』なんてタイトルを見ると押し付けがましく感じますが、幸福になるための指南書というより不幸にならないための指南書なので誰の心にも刺さると思います。

わたしの心にも刺さりまくりで、程よく刺激的な内容です。
若い女性に向けた連載でありながら、初っ端から美醜について現実の残酷さを突きつけます!

そして“ふたたび”美醜について現実の残酷さを突きつけ、さらに現代だったら炎上しそうな持論で突き放します!
その救いのなさに、連載当時は読者から反論が寄せられたとか。
それでも、性や恋愛についても“ふたたび”論じるところが面白いのです。

連載されていた昭和30〜31年は、高度経済成長の幕開けとなった転換期。
電気洗濯機、電気冷蔵庫が一般家庭に普及し始めて、経済大国への道を駆け上がり始めるた時代は「もはや戦後ではない」イメージがあるけど、
現代は混乱期であり、私たちは辛い生きかたをしています。
とあるように、その時代ならではの生きづらさが感じられました。
どんな時代も世の中は不平等。
「新しい戦前」と言われる現代も、きっと、
いちばん大事なことは、最悪の事態を見とおし、しかも、それにとらわれずに生きることです。
とらわれずに生きるって難しい…

令和に読む昭和の幸福論は、全く古い感じがなく、刺激的でとても新鮮!
今こそ読んでほしい一冊なのでした。
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